2014/02/13
昨年の11月、名古屋大学、名古屋市主催の「こころの絆創膏セミナー」に招かれて、「現代青年の心の変化」というテーマで講演してきました。青年たちがアイデンティティ型から多元型へと変遷していくなかで、どのように生きづらい状況が生じているのかについて話しました。けっこう難解な話だったにもかかわらず、フロアからたくさんの質問をいただき、あらためてこのテーマが世の中で切実さをおびていることを肌身で感じました。内容の一部は拙書「なぜ自殺は減らないのか」にも重なりますが、「小さい物語」が自己愛傾向のある人たちの温床になりつつある状況をなんとか変えていかなければ青少年の居場所のなさは改善しない。そのことをどう考えていくのかが今後ますます大きな課題となってくるでしょう。ちなみに私の講演の前に上映された「扉のむこう」(2008、ローレンス・スラッシュ監督)という映画は、フランス人が日本のひきこもりをテーマに作成したもので、地味ですが珠玉でした。興味ある方は是非。