2017/05/29
2016年の抗加齢医学会総会のランチョンセミナーにおいてアスタキサンチンが取り上げられましたので、その元になる発表(筑波大学)をまとめてみました。
アスタキサンチンはエビ・カニなどの甲殻類やサケに豊富に含まれている天然の赤い色素で、強力な抗酸化作用をもたらす次世代の天然サプリメントとして期待されています。
マウスを使った実験で、アスタキサンチン摂取は濃度依存的に海馬の神経新生を高めました。また、4週間のアスタキサンチン摂取により、マウスの学習能力および記憶能力の有意の向上が明らかとなりました。
さらに、アスタキサンチン摂取による海馬の神経新生と、認知機能が高まるという機序を説明する新たな分子機構が想定されました。そのうちアスタキサンチン摂取による海馬機能向上の分子機構の一つとして推定されたII4は、アルツハイマー病の原因とされるβアミロイドに対する除去能力に関与することが報告されています。したがってアスタキサンチン摂取によって高まるII4経路が、アルツハイマー病における海馬機能の低下を予防・改善する可能性があります。
当院では認知機能の低下が危惧される患者様に、アスタキサンチン摂取を勧めています。